久米繊維プレスルーム: 2006年9月アーカイブ

wamen3.jpg


わずか数十粒の和綿の種を蒔くことから全てが始まった
「しあわせのコットンボールプロジェクト」


プロジェクトのスタートから5年の歳月を経て、糸に紡がれたオーガニック和綿が、
ついにカネキチ工業さんの吊り編み機と技術によって生地になりました。


本当にオーガニック和綿がTシャツを創る事が出来る生地になった・・・ 
まさに、感無量です。


「(オーガニック和綿の糸は)想像していたより遥かに綺麗な糸でした。」
「糸の雰囲気に合わせて、度目の違う2種類を試験編みしてみました。」


岡谷さんのご提案によって、度目を2通りに変えて編まれた試験編みの生地は、
自然の風合いをそのままに楽しむためにあえて染色などはせず、綿が持つ油分を
かるく取り除くための湯通しのみを施しました。

度目を、わざと甘めに設定して編まれた生地は、軽やかで優しいものに。
少し度目を詰めて編みこまれた生地は、少し厚みを増して、ふっくらとした感じに。

和綿の個性が活かされ、吊り編み機で無理なテンションをかけずに、じっくりと
編みこまれたためか、どちらもなんともいえない独特の風合いが醸し出されています。


早速、渡良瀬エコビレッジにてプロジェクトのメンバーに、お披露目となりました。

大事に育てた和綿が夢の生地になり、そして触れることができた喜びと共に、
「果たして、どちらの度目の生地で本番の製作を進行していこうか?」
というメンバーにとって嬉しい悩みが、ひとつ生まれました。


カネキチ工業株式会社 (吊り機の解説ページ)
渡良瀬エコビレッジプロジェクト(しあわせのコットンボール)

tsuriki.jpg


ついに糸に紡がれたオーガニック和綿。

「この希少な糸を、どのように生地に編み上げたら良いのか?」
と思い悩んでいたところ、貴重なアドバイスを、
遠山株式会社の遠山さんから頂戴いたしました。


「吊り編み機で編んでみたらいかがですか?」
「給糸口が1口、または2口なので少量の糸でも編むことができます。」
「吊り編み機ならではの、独特な編み上がりの風合いは和綿にも合うと思います。」
「なにより大正紡績さんがレトロな方法で紡がれた糸を、現代の高速機ではなく、
伝統ある吊り編み機で編みたてをするというのは、浪漫に満ち溢れます。」


そして、大正9年創業以来、和歌山で吊り編み機と技術を守り続けていらっしゃる
カネキチ工業の岡谷さんをご紹介いただきました。


「昔から和綿の糸を編んでみたいと思っていました。」
「実は以前、大正紡績の近藤さんにも和綿で糸が紡げないか相談したことがあったの
ですが、和綿の量が揃わなかったりして実現しませんでした。」
「和綿の糸を見るのが、とても楽しみです。」

と、試験編みをご快諾いただきました。


まさにこの出会いは、必然であった?のかもしれません。
またひとつ、このように和綿によって素敵なご縁が紡がれることとなりました。


カネキチ工業株式会社
しあわせのコットンボール(渡良瀬エコビレッジプロジェクト)

このアーカイブについて

このページには、久米繊維プレスルーム2006年9月に書いたブログ記事が含まれています。

前のアーカイブは久米繊維プレスルーム: 2006年6月です。

次のアーカイブは久米繊維プレスルーム: 2006年10月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。